理事長所信

はじめに

 明るい豊かな社会の実現を理想とし、志高き青年により青年会議所は誕生しました。故郷や住み慣れたまちをより良くしようという思いが小平の関係諸団体、先輩達の支えにより小平の地に芽吹き、36年もの間今も絶えることなく続いています。
 私は静岡県清水市にて生まれ育ちました。父や母、ご先祖様の恩恵により、生まれた時から私のことを受け入れ、気にかけてもらえる環境がありました。
 私はこの小平にご縁を頂き、10年が経過しようとしています。慎ましくも不自由なく暮らしができるのは、地域や人を大切に思い、活動を絶えることなく続けて頂いた先人たちの恩恵だと感じています。
 小平に移り住んだ数年間は、地域に馴染めず、家族以外の知り合いが一人もおりませんでした。どうすれば生まれ故郷と同じように受け入れてもらえるのかと思考錯誤の中、父や母のように自身が住む地に関心を持ち、関わることが必要だと気づき、小平青年会議所の門を叩きました。活動の中で地域と人を思う姿勢を学び、仲間ともに切磋琢磨する経験から、自身を受け入れてもらえる環境は、何ものにも変えがたい宝であることに気付かされました。
 私が青年会議所で学んだ経験から、このまちで生まれ育つ多くのこどもたちが心身ともに成長する学びの場を提供すること、この地に根を張る人たちが地域と触れ合う環境を築くことが、小平の発展に繋がると信じています。

小平のためにできること

 魅力あるまちとはどのような街でしょうか。それぞれ異なりますが、愛着が持てる街というのも大切な要素です。そして愛着とは、触れ合いから生まれるものです。
 昨今社会情勢や経済状況の変化により、親世代を取り巻く環境も大きく変わりました。昔は両親に限らず、近所の大人たちでこどもたちを見守り、育てるような情景がありました。しかしながら共働き世代が増加し、自身が住まう地域との関わる時間が減少することで、近隣の大人たちとの触れ合いも減少しました。結果、子育てについての不安や悩みも増えてきているように見受けられます。このようなときだからこそ、この地に根を張る人たちが地域と触れ合う環境づくりが必要なのではないでしょうか。
 本年度わたしたちのまち小平が魅力ある街になる為にも、先ずは地域で子育てを応援し、地域との触れ合いの場を作り、子育て世代の悩みに少しでも応えられるような運動を展開いたしてまいります。
 当会では毎年、市内の小学生向けに『学校対抗わんぱくなわとび甲子園』を開催いたしております。本年度で12回目の開催となり、毎年の参加を楽しみにして頂ける恒例の行事となりました。スポーツを通じて諦めずに目標に向かってやり抜く力、仲間と共に切磋琢磨し、お互いを称えあうことの重要性を学んだ経験が、未来を切り開く力になると信じております。『学校対抗わんぱくなわとび甲子園』が継続的に行えているのも偏に、われわれの運動に理解を示して頂ける関係諸団体の継続的な支えによるものだと強く感じております。
 またFC東京様のご協力のもと『親子サッカー教室』を開催いたしております。おかげさまで昨年に10回目を迎えることができました。こどもたちに小平の地域特性のひとつであるサッカーを通じてスポーツの楽しさと、親子同士の触れ合いを感じることができる事業として多くのご家族から応募いただいております。
 スポーツにおいて観客の声援があるからこそ、選手もまた大きな力を発揮することができます。これはスポーツに限らず、応援されることは相手から認められることであり、自信につながります。
 継続的に開催させて頂いている事業は、地域の応援なしでは成り立ちません。本年度は『学校対抗わんぱくなわとび甲子園』、『親子サッカー教室』において新たに「応援」をテーマに加え、事業を展開して参ります。

未来あるこどもたちのために

 いつの時代も親はこどもに思いを寄せています。それは、自他共にかけがえのない存在であり、常にこどもの可能性を信じているからです。こどもたちが自らの可能性を信じ、積極的な行動ができるようになるためには、単に手を差し伸べることだけではなく、信じて見守り、思いを寄せることが必要です。しかしながら、核家族化により、親が子育ての先輩である祖父、祖母または近隣の大人たちとの関わりが減少し、学ぶことが難しい状況と言えます。このような状況を打破するためには親自身も学ぶことが必要です。
 『こどもは親の背中を見て育つ』とありますが、最初から完璧な親などいません。子育てはこどもを育てることだけではなく、親が親として成長する機会でもあります。不完全な私たちが親として成長していく姿を見せることがこどもたちの成長に繋がるのではないでしょうか。
 また、こどもたちも中学、高校、大学と卒業が近づくにつれ、自身の将来を考え進路や就職など、選択に迫られる時期が来ます。現状、お金の価値や考え方についての教育は各家庭に一任されています。しかしながら子どもをお金の話題から遠ざけたり、人前ですることを控える傾向もあり、家庭内で話すことが少ないままに社会に出ているように感じます。
 働いて得るお金は衣食住など生活する上で必要なものもありますが、どのように使うのかは個人の裁量次第です。お金の価値を学ぶことは、時間の使い方を学ぶことであり、自身の生き方を決めることにつながります。将来を見据え、目標を持ち、夢に向かって努力するための価値ある使い方ができる人ほど社会に出てからも成長し、活躍しているように感じます。だからこそ、社会に出る前のこどもたちに、自身の可能性を信じ、夢を描くためにも現実に即した教育が必要なのではないでしょうか。
 私たちもいつか歳をとり、次の青年世代にバトンを渡していきます。こどもたちが青年となり、活躍できるようになる為にも将来を見据えたお金の価値について学んで頂くことで、未来あるこどもたちの将来の成長に繋いでまいります。

必要とされる組織であり続けるために

 青年会議所は20歳から40歳までの青年で構成されています。個々において所属できる期間が限られており、40歳時にはこの会から巣立ち、新たなるステージへ旅立ちます。
 人は必ず歳をとります。しかしながら誰と何処で、どのような時間を過ごしてきたかによって先の人生が大きく変化します。青年会議所で過ごした時間は私に一生涯の友人と、地域とのつながり、知恵を授けてくれました。楽しいことだけではありませんが、青年会議所を通じて多くのかけがいのない仲間と出会い、活動を共にする中で大切なものを得ることができました。
 卒業された先輩方は、その後も地域の担い手として活躍されています。これは青年会議所での学びが常に生きているということの証拠であると確信しております。
 また、必要とされる会で在り続けるために魅力ある会でなくてはいけません。魅力ある会とは、魅力ある人で構成される必要があります。だからこそ、良識ある青年経済人として常に自己成長をしていかなくてはなりません。
 また、当会が成長していくために志を同じくする仲間が必要です。多くの方に当会の運動に理解を頂ける様、交流の機会や活動のPRを積極的に行ってまいります。
 当会が今後も幅広く、魅力的な運動ができる組織になるためにも本年度は10名の会員増強を目指してまいります。

結びに

 私たち青年会議所の運動は、ひとりでも多くの人たちに他人事を自分事として捉え、他が為の行動を起こせる人を増やすことです。他が為の行動が周りの人の意識を変え、行動を変えることで、地域が、人が、より良く変わっていくことが地域の活性化につながると信じています。そして大人たちが今あるあたり前のものに感謝し、未来あるこどもたちに残すことでもあります。
 本年度のスローガンとして『万里一空』を掲げました。世界のすべては同じ空の下にあるという見方を示す表現であり、動揺することなく冷静に物事を捉える精神的境地を示します。
 私たちの目指すところは今も昔も変わっていません。私たちのまち小平の人が、街がより良く成長していくための活動を止めずに続けることです。
 この会を発足して36年目という長きにわたり、築いてこられた先輩たちの想いの継承。そして英知と勇気と情熱を持ち、たゆまぬ努力を続ける同志と共に今も昔も変わらぬひとつの目的、明るい豊かな社会の実現に向けて志操堅固の精神の元、全身全霊をかけて邁進いたしますことをお誓い申し上げ、理事長所信といたします。

スローガン